「試用期間」のご質問

 新年度が始まり、時期的に「試用期間」についてのご質問事項を記載します。

Q 試用期間を設けるか、否か?

A 実際の就労状況を確認して、資質や業務への適格性が見えてくることがありますので、試用期間はあった方が良いと考えます。

 特に、新規学卒者より、中途採用者の場合は試用期間を置くことを使用者にご提案することが多いです。

 なぜなら、中途採用者の場合は期待とのギャップが生じやすいからです。一定の職務経験を経ている、あるいは一定の職務に精通していることなどを評価し、高い給与等の好条件で採用したところ、いざ就労を開始したら、大幅に能力が劣っていたという、面接時には分からない現実との乖離が生じる可能性があります。

Q 試用期間6か月を設定したが、3か月経過で解雇しても良いか?

A これは、「社長、待って下さい!!」と即答します。

 試用期間中だからと言って、簡単に解雇できるものではありません。

 能力欠如と判断した事項は何か、使用者として必要な指導教育をしていたかなど、1つ1つの事情に対する使用者側の対応とその経過が問われます。もちろん4か月経過だから良いとか、試用期間満了後の解雇だから良いという、時間の問題でもありません。 

 

 なお、先日、日経新聞の記事にて知ったのですが、「最近の若者はすぐ辞める」というのは間違いで、統計上は大卒者の3年以内の早期離職率は過去30年近く3割で横ばいだそうです。

 ご縁があって採用された労働者もその会社の一員となって頂き、ご縁があって採用した使用者も一員となるよう育成して頂きたい、その労使の繋ぎ役の社労士として頑張ります。